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- 2011.12.11 Sunday
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笹井宏之(ささい・ひろゆき)略歴
一九八二年八月一日、佐賀県西松浦郡有田町泉山に生まれる。
二〇〇四年、短歌を作りはじめる。
二〇〇五年十月、連作「数えてゆけば会えます」で第四回歌葉新人賞を受賞。
二〇〇七年一月、未来短歌会に入会。加藤治郎に師事。同年度、未来賞受賞。
二〇〇八年一月二十五日、第一歌集『ひとさらい』(Book Park)刊行。
二〇〇九年一月二十四日、自宅にて永眠。
二〇一一年一月二十四日、『えーえんとくちから 笹井宏之作品集』(PARCO 出版)、第一歌集『ひとさらい』、第二歌集『てんとろり』(ともに書肆侃侃房)、刊行。
ブログ【些細】 http://sasai.blog27.fc2.com/
(出版社サイトより)
旅立った
笹舟の背は
触れずとも
あなたの生は
歌に紡がれ
空の果て
星を綴りて
歌う君
見上げる猫が
静かに微笑み
同じ罪を背負って生きる百合の中 あなたはわたし わたしはあなた
「今君が見ている月を届けてよ」わたしに言える最後のわがまま
人であることを手放し君は今、とても自由な風なのでしょう
おそらくは微量、大気に含まれた君が通った胸の風穴
もてあます心を母がおだやかに体に翻訳しはじめる午後
雪けぶる窓に息する軌道確保 ひととからだは天へ捨てゆく
ひとづてに聞けばあんがい太陽の似合う男子であったのである
にんげんを脱ごうと思い袖口のボタンをひとつ、ふたつ、はずした
獅子きたる月夜に母は全力であなたを包むコットンタオル
昔 遥かなる君の 前頭前野 触れてもいいの? 触れてくれるの?
夏の尾は地をゆったりとひいてゆく/風がうまれた朝のソレイユ
泣いたけど泣くのもなんか違う気がしたから影を追い歩き出す
出産を終へしライオン今しづかに我らを頭上より睥睨す
丹念に磨かれしのち原石は真実となり八月朔日