スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

  • 2011.12.11 Sunday
  • -
  • -
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

Kotonoha-mix(3) アンダーグラウンド定点観測 feat. 阿川大樹


4月某日、横浜・黄金町にて執筆活動をされている作家の阿川大樹さんに、黄金町×アートのことから、モノを書くための練習、等々等々、たーっぷりお話をうかがってきました★
そんなわけでkotonoha-mix、2週にわたってディープなトークをお届けしてまいります、ヒア・ウィー・ゴー!


■ 黄金町×阿川大樹。

阿川:横浜に住むようになったのが20年ぐらい前になるんですけど、探検をしてね、偶然この地域に来たんですけど、日ノ出町と黄金町の間の川に面しているところと、川から離れた路地1本分ぐらいの範囲の中にチョンの間が並んでて。お店によって違うんだけど、狭いところは間口が自転車1台分より狭いような扉1枚しかなくて、その中にピンク色とか変な色の蛍光灯が点っていて、女の人が立ってるんですね。そういうのがずらーっと。僕が最初に見た時でも20人か30人ぐらいの人が立っていて。
日野:それはそう遠くない昔の話ですか?
阿川:10数年前だったと思う。21世紀の日本じゃないみたいなね。
日野:外国人の方が多かったんですか?
阿川:そう思いますねぇ。なかなか目を合わせられないからチラ見をしつつ、でもちょっと見ようとするとすぐ「私を選んで!」っていう顔をするわけですよね。女を買いに来たわけじゃないから居心地悪いんだけど、ものすごく面白いところに来たっていうワクワク感があった。


■ 黄金町@過渡期。

阿川:すごく変な場所で、なんで今でもこんな街が残っているんだろうって。だからこの街がどう変わっていくかっていうことに俄然興味を持って、ときどき街のようすを見てたんですけど、なんとなくお店が減った時期があって、しばらく来なかったんですよね。その頃、知らない間に売春宿は追い払われていて、カラだけ残ってて。その空いたところを利用して、「黄金町プロジェクト」っていって一種の町おこし運動を始めた人たちがいて。街の探検ツアーとか、そういうことをやってたんですね。
日野:何年前ぐらいからそういう動きがあったんですか?
阿川:たぶん一掃された直後ですから、5年ぐらい前ですよね。変わった、いかがわしい場所なんですけど、へんな魅力があるわけだから。
日野:魅力ありますね。
阿川:そういうのを毛嫌いして触らない人と、自分が女を抱くとかそういうんじゃなくてもそういう場所に興味を持つ人と、たぶん人間には2種類あって、どっぷり足を踏み入れるかどうかは別にして、その空気みたいなものを見るのが好きな人たちって結構いるわけですね。
日野:少し変わった感性の人たちが集まってきたというか。
阿川:そうそう集まって。そういう一種の運動があったんですけれども、もともとの、街をきれいにしたいっていう人は、できるだけ早く売春宿の痕跡を消したい。だから売春宿の集まっていた街というのを一種の売りものにして面白がるっていうことに対して非常に抵抗があった。黄金町が売春の街になったのは戦後なんですね。ふつうの街だったのに、いわゆる戦後のどさくさというやつで変わっていってしまったんですね。自分の街がぐちゃぐちゃに壊されて、踏みにじられたような感じを持ってる。だから街に住んでる人たちから見ると、売春という歴史を看板に掲げて人の興味を引くっていうことが受け入れられないことだったんだと思います。ところがある時、「黄金町プロジェクト」は活動をやめます、と。彼らがやろうとしてたことは地域から受け入れられなかった、ということだけがわかった。その時点では、気持ちはその人たちに寄っていたので、「なんでなんだ?」っていうね。歴史自体を塗りこめて消すことはできないんじゃないかって思ったんですね。人間の持ってる闇の部分みたいなものを消し去ることに対して、生理的な嫌悪感みたいなものがありましたね。人間の根源的な部分の「性」というものって、人類がうまれてからずっとあるんですよね。で、そこにある人間模様、それぞれの人の生き方みたいなものっていうのを、まるっきりなかったことにするような否定の仕方っていうものに対して、ある種の生理的反発みたいなのがあったんですよね。そういうのも含めて、僕もちょっと排斥されたような感じがして。僕は、見てただけなんだけど(笑)。その後なんだかつまんない街になっちゃうように見えたんですね、僕にとっては。


 ■ 黄金町×アート。

阿川:だけど、そういう時にちょうど、アーティストに場所を提供して、っていう運動が始まってるっていうことを、ネット上でたまたま見つけたんですよね。
日野:それは黄金町プロジェクトとは違うところなんですか?
阿川:うん。行政が入っているプロジェクト。きれいな街にしましょうっていうことで、場所を提供するから、そこに入居するアーティストいませんか、という募集をしてたんですね。それが「黄金町エリアマネージメントセンター」っていうNPOですけれども、物件自体は横浜市がいろんな持ち主から借りてて、売春宿の建物のまんまだったり、京浜急行の下のこの場所みたいに、
日野:ここは新しく作った所ですよね。
阿川:二十数ヵ所いろんな場所があるんだけども、って。僕も仕事場をほしいなと思っていたので、ちょっと街に呼ばれてるような気がして。ずっと見てた街がむこうから「おいでおいで」って。
日野:運命的な感じですね。
阿川:うん、運命的なタイミングのような気がして応募したんですね。小説家がアーティストかというのはわからないけど「こういう人間がいてもいいんじゃない?」ってむこうが思ってくれれば、可能性はあると思ったし。
日野:小説家は阿川さんだけですか?
阿川:そうですね。建築家の人も、洋服のデザインやってる人もいるし、隣はいわゆる油絵を描く人、それから写真家さんとかいるし、変わったのでは、カフェのある風景をつくるアーティストがいる。いろんな場所に出かけてってカフェをやるの。
日野:へえ、それもアートなんですね。
阿川:それもアートらしいんだ(笑)。現代アートっていうのはうんと概念が広くて、人間関係をつくるとか、人の心をある仕掛けで動かすみたいなのを全部「アート」として扱っているということを、ここへ来てから知ったんですけど。
日野:大きい意味でみると小説もものづくりですから、アートなんでしょうかね。
阿川:そうですね、クリエイティブワークという意味でいえば一緒ですよね。この街のことに対していえば、定義があるわけじゃなくて、この街の変化が外の人から見えるように何をしようかっていう、そのひとつの選択肢がアートなんですよね。
日野:イメージの問題ですよね。
阿川:そう。ダーティーでアンダーグラウンド的なもので塗りつぶされていた街を、よいイメージで一旦塗りかえましょう、とにかく看板を塗りかえなきゃだめだっていう。
日野:今は女の子ひとりで通りがかっても、変な目で見られるわけでもないですし。
阿川:大丈夫ですね。売春婦だと思われることもない。

■ すれ違おうとしてない。

阿川:世界中どこへ行っても、たとえば看板に「売春」って書かないわけですよ。だけど、何も書いていないのに「ここは売春をやってる所だ」とか「この人売春してる」っていうのは、どこへ行ってもわかるのが不思議ですね。
日野:ふふふ(笑)。たとえばどんな特徴が?
阿川:たぶんね、目の合わせ方だと思う。絶対、通りすがりの人と違う目の合わせ方をするの。この川の向こう側にも道で売春やってる人たくさんいますけど、すごーく地味な格好。
日野:へぇ、だから気づかなかったのかな。
阿川:地味―な格好でいるんですけど、長い時間、用事がない場所に立っている。お店の前とか、マンションの中から出てくる人を下で待ってる、でも似たような状態だと思われる。だけど、ふつうの人はたとえば僕が近づいてった時に、僕に興味を持ってるってことを示さない。目をそらしたり、そっぽ向いてたり、チラッと見るかも知れないけど目が合ったら目をそらすでしょ。
日野:ふつうだったらそうしますよね。
阿川:どんな場所に人がいたって不思議はもちろんないんだけど、変な場所に人がいて、なおかつ近づいて行った時に、すごくゆっくり目線をこっちに配ってくる。で、目が合うのを待ってんの。そういうことをした瞬間に、あ、この人売春をやってるんだ、っていうふうにわかる。
日野:男性じゃないとわからないですねぇ。
阿川:女の人には目配せしないもんね。技術がいるんだろうね、きっとね(笑)。売れっ子の売春婦さんはきっと上手に目を合わせるんだろうな。たとえばね、すごく露出度高くて、いわゆるセックスアピールのやたらある人が街に立ってたとしてさ、仮に交渉が成立しても連れて歩けないかもしれないでしょ。誰が見ても「あ、女買った」って思われちゃうから。向こうの人は商売だから、そういう心のあれっていうのは全部、よくわかってるんだと思うんですよね。だからすごい地味だったりとか、けど目の合わせ方が違う、すれ違おうとしていない。
日野:明らかに狙ってるというか(笑)。
阿川:でもひどいのになるとね、きったないおばさんなんだけど、「お兄さん遊んでかない?」って駐車場みたいなところにウンコ座りしたまま言ってきたり。
日野:すごいですね(笑)。
阿川:それで商売になるのかなっていう(笑)。
日野:買いたくない(笑)。お客さんつくんですかね?
阿川:酔っぱらいとかそういう人が。
日野:引っかかったら後悔するんでしょうね(笑)。
阿川:そういう駆け引きとかを観察すると、これはこれで定点観測としては面白いわけ。

〜次週に続く〜


今週、5月19日(水)に黄金町のシネマ・ジャック&ベティにて、映画「すべては海になる」12時40分の回上映後、山田あかね監督×阿川大樹さんのトークショーがあります。
冒頭に阿川さんが出演されてるそうです。
日野も見たかった映画なので、遊びに行こうと思ってます!

それから日野は、週末23日(日)は文学フリマに参加します♪
「笹井宏之・日野やや子」名義のブースで「世界がやさしくあるためのメモ」(定価500円)と歌クテルバックナンバーを販売いたしますので、ぜひぜひ遊びに来てください!

次週もディープにまいりますよ。
また来週〜★


阿川大樹さんの公式ホームページ


(このウェブサイトに掲載されている情報は、著作権法に基づき保護されています


スポンサーサイト

  • 2011.12.11 Sunday
  • -
  • 00:00
  • -
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

コメント
(^O^)ども、Dj.yayako&阿川大樹さん、先ずは前半お疲れ様です!

今回もリスナー心をくすぐる楽しい展開で後半待ち遠しいです!(b^ー°)

さて私事ですが、今回放送の内容には、かぁなぁり親近感と言うか、懐かしさがありまして…

実は今から22年前、俺は神奈川県の大船で12年程仕事と生活をしてまして、職場の先輩や同僚と夜な夜な横浜界隈を徘徊してた次第で…(あくまで健全に)…(笑)

話題にあった黄金町、日の出町、桜木町、あたりは当時俺らは「デルタピンクゾーン」と呼んでました(主に先輩が)

しかも3つの町のピンク色はそれぞれ個性があって…コホン、長くなるので割愛しますね(笑)

黄金町のちょんの間通り、川沿いの立ちんぼは、当時の俺にも異質な空間に感じましたね。

今思うに、あの風俗界隈も時代の中のれっきとした、一つのピースだと思いますよ( ̄∀ ̄)

…やっぱり長くなりましたが(笑)

次週も楽しみにしてます♪♪
  • 夜考宙ん
  • 2010/05/18 2:00 AM
夜考さん、レス遅くなりましてゴメンナサイ!
大船で働いていたんですかぁ〜、わたしはあの界隈の高校に通っていたんですが、まったくもって知らないことばかりでした;
女子だからしょうがないか。。
去年、阿川さんのお知り合いが書いたノンフィクション本で詳しく知って、びっくり。
街に歴史あり、ですね!
  • ひの
  • 2010/05/24 12:13 PM
コメントする








   
この記事のトラックバックURL
トラックバック

access

管理人にメールを送る
(さるさる日記のメールフォームです)

selected entries

categories

archives

recent comment

  • 【文語短歌】自由自在・その12【古典和歌】
    夜考宙ん
  • Book-Offで歌集を買う
    夜考宙ん
  • 【文語短歌】自由自在・その11【古典和歌】
    夜考宙ん
  • 【文語短歌】自由自在・その11【古典和歌】
    さね
  • 【文語短歌】自由自在・その11【古典和歌】
    夜考宙ん
  • みゆきまたなむ
    夜考宙ん
  • 連載小説 『部屋』 【後編】
    夜考宙ん
  • モテたい。【番外篇】
    うさぎ林檎
  • power of kotonoha
    夜考宙ん
  • 歌クテルwebマガジンは一周年を迎えました。
    さねとも

search this site.

profile

mobile

qrcode

links

others

sponsored links

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM