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Kotonoha-mix(8) シノノメ・マキアート(おかわり) feat. 細谷貴宏

 
前回に引き続き、細谷貴宏くんとの対談です!
今週は、「shinonome」を掘り下げながら、ものづくりについて語ります。
ヒア・ウィー・ゴー!


■気持ちよさのため。

日野:作品つくってみて、どうでしたか。
細谷:今まで溜めに溜めてきたものを、とりあえず、どわーっと出した感じはありましたね。やりたいことやった、みたいな。
日野:話が立ち上がってからは、どれくらいの期間だったの? 
細谷:えーと、「本書いて演出しない?」って言ってもらったのが8月なかば。
日野:じゃあ、実質2ヶ月ないぐらい? スケジュールがなかなかタイト。
細谷:でしたね。でもたぶんプロの人たちって、1ヶ月で稽古して上げるみたいな感じだから。
日野:バッタバタだったでしょう、終わるまで。
細谷:バッタバタでしたねー、もう。ふとんで寝てなかったですからね、2ヶ月ぐらい。
日野:タフだわー。
細谷:ほんとにね。バイトもあったし。人間のやることじゃないですよ、お芝居なんてものは。
日野:でも人間じゃなきゃできないからね(笑)。人間て、なんでやらなくてもいいことがやりたくなるんだろう。
細谷:ね。謎ですよね。なんでこんなめんどくさいことやってるんだろう、って。
日野:ねー、しちめんどくさい。わたしもたまに「なにやってるんだろう?」って思う。
細谷:そこは最近、単純に「自分の気持ちよさのため」って割りきってますけどね。自分が気持ちいいでしょ?
日野:たまに気持ちいいな。
細谷:あ、たまにか。そっか。
日野:なんかね……「産みの苦しみ」があって、「うわー、気持ちいいー!」みたいな。ためてためて。
細谷:あの、おしっこ我慢して我慢して出したら「気持ちいいー!」みたいな?
日野:うん。
細谷:結局、「お客さんの気持ちよさ」と、短歌なんかでいうと「読む人の気持ちよさ」と、「自分の気持ちよさ」を、どうイコールに結びつける方向に持っていくか、みたいな。でも表現することって、わりと本能に近いようなところがあると思うんですよね。演じるなんていうのは、絶対そうで。
日野:なんもしてなくても人間、演じてたりするし。
細谷:うん。だから、それを美しいものに、見せられるレベルに、どう昇華させていくかみたいな。お芝居なんて誰でもできるんだから。英語では「play」ですからね。
日野:ああ、「遊ぶ」と一緒。日々みんなしていることを、エンターテイメントとして昇華して、人に見せるんだもんね。
細谷:そうそう、そういうことです。
日野:日々仕事していれば、ショップ店員である自分を演じたりとか、会社の○○課の事務員である自分を演じてみたりとか……
細谷:そうや、それで思い出した。ヘドウィグの「Wig in a box」って曲わかるかな。
日野:ああ、カツラとっかえひっかえするやつ。
細谷:あの歌詞、なんかすごい好きで、「メイクをして、わたしは深夜のレジ打ちの女王よ」みたいな。「でもベッドに戻って、カツラをはずせばわたしに戻る」みたいな。そういうことなんですよね。


タカノ ゆらゆらゆらゆら、あたしは揺れて、ふらふらふらふら、あたしは不埒に揺れながら、待っている。揺れながら、あたしは何かを思い出す。ゆらゆらゆらゆら、ふらふらふらふら、揺れながら、何かを思い出すのを待っている。

(「shinonome」より)


 ■一人で立ってられるなって。

日野:セリフのテンポがいいよね。「しゃらくせえ」とか「このやろう」とか(笑)。
細谷:短歌を詠んだり、いろんな人の短歌を読んで、そういう感覚はちゃんと染みてたんだろうな。語感とか。五七調を意識したわけじゃないけど、役者さんに本読みとかしてもらったら、「ああ!」ってなるところが結構あって。
日野:「トールキャラメルマキアート」。
細谷:あははは。
日野:タイトルがまた、すごくいいよね。「shinonome」。これはわたし、当日パンフで意味を知ったんだけど(笑)。
細谷:東の雲って書いて「しののめ」。夜明け前、みたいな意味ですね。
日野:3段階なんだよね?「暁」「東雲」「曙」。
細谷:の、真ん中が「東雲」ですね。
日野:「曙」だと明るすぎる?
細谷:……のかな?
日野:「曙」、ってのもないしね(笑)。「暁」だとまだ夜に近い? でも、夜のシーンから始まるよね。空を見上げて星が見えて、星が流れて行くっていう。で、カーテンばーっと開けると、現実世界が。
細谷:そうそう。
日野:あれちょっと、リアルにビクッとしたけど(笑)。わたし一番前で体育座りで見てたんですけども、「猛獣!」みたいな(笑)。そういうところもバランスいいなーって。
細谷:そう、ちゃんとエンターテイメントにしたいとは思ったし。そういう意味では、ちゃんと自分の中で整理しながら、1個1個落とし込みながら書いてたところはあって。
日野:その作業ってわりと精神的に大変でなかった?
細谷:むしろ、気持ちが良かった。っていうのは、たぶん、「出てるところ」に今はいるから。
日野:なるほどね。俯瞰して見れる感じっていうか?
細谷:うん、ある意味ね。結局、最後まで俯瞰はできないんだって思ったし、「思った」ってところで終わったけど、この本は。
日野:でも、カーテン閉めて終わったじゃない? 一応カーテンは閉めれた、っていうところまでいった、っていう?
細谷:そうですね。それこそ見た人にしかわからない話かもしれないけど、カーテンの向こうに、あの人たちがいるんだってことがわかったから、一人で立ってられるなって思えた。


■壊されたい。

日野:演出って、自分で演じるのとは、やっぱり違うわけじゃない。
細谷:違いますねぇ。ぜんぜん違う。今回は時間割的に、出演するほうも同時進行でお稽古してたから、先にぼくの演出のやつを稽古して、役者さんにさんざん言った後に、演出受ける身になったら、「さっきはすいませんでした!」ってなっちゃう(笑)。
日野:同じ日に同じ場所で、たて続けにそういうことがあるわけだ。クッタクタにならない?
細谷:なりますね。あーでも楽しかったけど(笑)。
日野:言うのも言われるのも。すーごい濃いよね。
細谷:マニアックな話になってくるかもしれないけど、稽古っていうのは、俳優さんが「なにをすればいいですか」では成り立たないんですよ。
日野:なにをすればいいのかを、読んで動く?
細谷:そうそう、100%組み立ててきて、稽古場ではそれを崩す作業をしてほしい。
日野:それをどういうふうにもっていこうか?って作業を稽古場でするわけだ。
細谷:そうですね。こっちがやってほしいことをやらせるんだったら、劇場でお客さんに台本配ったほうがてっとり早いから。まだ1個しかやってない身で言うのもなんだけど(笑)、演出家っていうのは、「作品のいちばんの理解者ですよ」っていう体で稽古場にはいるけど……
日野:俳優さんがなにを思ってつくってくる、っていうのも見たいとか? 壊されるのを実は期待してもいる?
細谷:もちろんそう。あのね、俳優さんは稽古場では理屈は言っちゃだめなんですよ、絶対に。うっとうしいから(笑)。でも、お家とかで一人でいる時は、これでもかってくらい理屈を言ってほしい。で、稽古場で理屈を言わないためになにをすればいいのかを考えてほしい。
日野:じゃあ出演する時は、そういうふうにやって……?
細谷:そうですね。それは考えてましたね。稽古場には……「擦りあわせをしに来てほしい」ってことですね。
日野:なるほどね。「こういうのつくって来たよ」っていうのを見せて、「それ、アリ」「それ、ナシ」「それ、ちょっとこう」みたいな感じ?
細谷:だめならそこでドカッと崩れたらいいんだし。
日野:お互い受け身じゃだめ、っていう。
細谷:そうですね。それは絶対そう。


タカノ あたし、この次の駅で降りる。
同級生 そう。
タカノ この次の駅で降りて、そのあとは。
同級生 ……。
タカノ そのあとは、分からないけど、でもね。
同級生 うん。
タカノ でも、分かるの。
同級生 うん。
タカノ だから。自分で決めたの。
同級生 そっか。
タカノ うん。

   電車、駅に到着。

タカノ じゃあね。
同級生 ばいばい。

(「shinonome」より)


■報われたのかなーとか。

日野:やー、なんかね、お話見て、「悔しいなぁ」っていうよりも、素直に「おおお、いいなぁ」って思って。わたしもモチベーション上がったかな、みたいな(笑)。
細谷:今回、ほんとにいろんな人に見てほしいな、って思えるものがつくれたし、実際お客さんの中にも、「よかった」とか「面白かった!」とか言ってくれる人がたくさんいたから、報われたのかなーとか思いますけどね、あるいは。ぼくの22年間が。
日野:もちろんまだまだ、つくりたいものがあると思うけど。今後はどんなものをつくっていきたいとかありますか?
細谷:えー、どうかな。
日野:やりきった後だからちょっとあれかもしれないけど。
細谷:や、でもいろいろ考えてます。いろいろ書こうと思って。今回は、自分が演劇にどう関わりたいのか、っていうことも日々考えながら稽古してたけど、今後はどうしていこうかな、って。でも台本はもっともっと書いて、演出もしたいなと思ってますね。
日野:役者としても不思議なあじわいを出してたから、もっと見たいな(笑)。
細谷:ねー。もっとやれたらなとは思うけど。「shinonome」は、いつか再演しようね、っていうことは言ってます。
日野:グレードアップして帰ってくることを、ちょっと望んでたりします。


■そしていちごつみ。

ありふれて虫歯のようでひからびてビーカーの底のようなお茶会(や)

底しれない米のおひつにもこういった夜がくるため、話してあげる(ほ)

セーターの袖にお米は乾きつつあなたが落としたのは秋ですか(や)

菓子パンと昼にうまれた動物とあなたが落としたまつ毛のかたち(ほ)


■ほっさんの今後の活動はこちら↓
 
●演出助手
月刊「根本宗子」第4号『最低の本音』
作・演出:根本宗子
2011年1月26日(水)〜1月30日(日)
@渋谷ギャラリー・ルデコ4F
 
●出演
ENBUフェスタ『(タイトル未定)』
作・演出:福原充則
2011年4月9日(土)〜4月10日(日)
@笹塚ファクトリー

細谷貴宏ブログ「SHIBAFU」→http://shiba-fu.jugem.jp




(このウェブサイトに掲載されている情報は、著作権法に基づき保護されています


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