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  • 2011.12.11 Sunday
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【文語短歌】自由自在・その10【古典和歌】

どうもこんにちは、さねともです。

前回の連載からかなり時間が経ってしまいましたが…今回は予告通り文語短歌の実作篇を。

といってもですね、最初におことわりしておきますが、これを読めばただちに文語短歌が作れるという代物ではありません。これは私の持論なのですが

かんたん文語はこの世に存在しない

です。

簡単に文語短歌が作れるなら、わざわざ口語短歌を詠む必要はありますまい。どっちかというと私が書こうとしているのは文語の面倒くささであります。

まず、文語短歌を詠むにあたって用意していただきたいものがあります。それは、古語辞典。

高校時代に古文の授業で使ってた古びたようなやつで構わないですが、なるべく高いものを用意してください。というのは高い方が例文が充実していたり、特に和歌の用例が豊富だったりします。さらに巻末に古典の資料が詳細に紹介されているようなやつだと言うことなし。私はコレをオススメしておきます。大学受験用としては定番の辞典でして、読み物としても充実しています。電子辞書もいいとは思うのですけれど、辞書は調べるだけじゃなくて出来ればぱっと開いたページを読むくらいの姿勢で臨んでほしいです。とにかく「辞書は読み物」がキーワード。

ここであれ? と思った方!

はっきり書いちゃいますが、短歌やるにはお金がかかります。短歌を長く続けると、本当にいくらかかるんだっていうくらいかかります。辞書や有名歌人の歌集にお金かけてるうちはまだいいのですが、いざ自分の歌集を出版する段になると目玉が飛び出るくらいのお金が必要になります。辞書を買った時点で、その第一歩を踏み出したと意識してほしいところ。

さてさて、辞書。

最初のうちは知らない言葉や分らない言葉をビシバシ調べてゆくことになるわけですが、慣れてきてからも常に辞書はそばに置いてほしいです。知ってる言葉でも調べられるようになるのが理想です。

たとえばですね。

「開く(ひらく)」という動詞。

これだけで少なくとも2つの意味があります。

ひとつは自動詞の「開く」。自動詞というのは「花が開く」というように、主語+動詞だけの関係が成り立つ動詞のこと。

そしてもうひとつは他動詞の「開く」。他動詞とは「戸を開く」のように「…を」と目的格が必要になる動詞のこと。他にも「本を読む」なんかも他動詞。

それで、実際に古語辞典で「開く」を調べてみるとそれぞれ「自カ四」「他カ四」なんてのが書いてあります。「自カ四」は「自動詞カ行四段活用」、「他カ四」は「他動詞カ行四段活用」のことで、…

…いかがです? 面倒くさいでしょ?(苦笑)

ここで文法のこまごまとしたことを書いてしまうと、それだけで本一冊書けちゃうくらいの分量が必要なので、それ用の本もオススメしておきます。何かといえば、大学受験用の参考書です。こういう参考書は、大学を受験しない立場で読むとなかなか面白いものです。現代人である我々が古典のどんなとこを読めなくなっているのかを知ることが出来るという点においても収穫は多いですし、何より人気予備校の先生の鮮やかな語り口! どうか面倒くさがらずに面白さを見つけていただきたい。

うわ、辞書だけでこんなに語ってしまった…。

これはでも仕方ないことです。文語短歌というのはとても奥が深いもの。その世界に入り込むためにはそれ相応の準備が必要なのですよ。物的準備もさることながら、心の準備もお忘れなく。

そして今日はあともうひとつ、どうしても書いておきたいことがあります。それは、文語短歌を詠むにあたって絶対に守ってほしいこと。

文語短歌は、最初から文語で詠んでください。最初に口語短歌を詠んで、それを文語に直すのは絶対にNGです。

なぜかと言えば、最初に口語短歌を詠んだらそれは口語短歌にしかならないからです。見た目だけ文語短歌にしても無意味だし、何よりそのために詠んだ口語短歌がもったいない。

口語と文語にはそれぞれ「口語発想」と「文語発想」というべきものがあると私は思っています。文語短歌を詠むというのは、その「文語発想」を身につけること。

では「文語発想」とはなにか。

たとえば…

石炭をば早や積み果て
(森鴎外『舞姫』)


この有名な書き出しに文語発想があります。それは「積み果てつ」の「つ」。これは完了の助動詞「つ」で、完了の助動詞というのは現代口語では表しにくいものです。口語にするならこんな感じ。「石炭は、もうすっかり積み終えてしまった」。文語を口語にするだけでこんなに文字が増えます。この逆、口語を文語にするのが無意味であるというのは、そういうことです。この感覚を、ぜひ身につけてもらいたい。文語はその表現の短さの割に多弁なのですよ。

完了の助動詞はほかに「ぬ」もあります。

ああ、ブリンヂイシイの港を出でてより、早や二十日あまりを経
(森鴎外『舞姫』)


この「つ」と「ぬ」の違い、分りますか? 答えは私がここで書くよりも今は辞書で調べてみてください。

鴎外という人は文法にはむちゃくちゃ厳しかった人のようで、特に助動詞の使い方にはとてもこだわってます。ほかにも過去の助動詞には「き」と「けり」がありますが、そのニュアンスの違いもきちんと使い分けてます。

「文語発想」を身につけるその第一歩は、文語における助動詞を意識すること。これはもう、教えられて覚えるというようなことじゃないです。自分で見つけて感覚を叩き込むしかありません。繰り返しになりますが「かんたん文語はこの世に存在しない」。大いに文語に触れてみてください。



(このウェブサイトに掲載されている情報は、著作権法に基づき保護されています

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