はじめまして、くしだです。
今回はいつもと趣向をかえまして『Book-Offで歌集を買う』をテーマに書きすすめます。
最近、短歌に興味がわいてきたんだけど…、歌集を買いに近所の書店に行ってみたんだけど…、で、結局、歌集ってどこで買うの?というあなた、あなたは正しい。
歌集って一般社会のなかでは宣伝をみたことないし、コンビニにもないし、いつも行く書店にもそれらしい棚はない。実に不可解な本ですよね(笑)
それでも歌集は、日々出版されています。では、その歌集はどこに消えたのか?
答えは簡単。
(1)出版社に眠っている。
(2)著者のもとに眠っている。
(3)贈呈先のだれかのもとに眠っている。
これが、おおかたの歌集の所在です。
ですから、書店にでまわっている歌集はほとんどない、といっても過言ではありません。
インターネット環境があり、上記のようなことがわかれば、かんたんにあなたのお好みの歌集を入手することができます。よかったですね。
>ガ〜ン!情弱なおれは歌集買えないやん(泣)
いえいえ、情弱なあなたにピッタリなスポットがわが国にはちゃんと用意されております。それが、今回のテーマ、ブックオフです。
>ブックオフってラノベとコミックしか置いてないのかと思ったお。
それは、あなたがラノベとコミックのコーナーに張り付いているからでしょう(笑)たまには、奥まで行ってみましょう。
と、いう訳でわたしは去る5月21日、実際にブックオフへ出掛けてみました。
◇
いま、わたしは自宅から最寄りのブックオフ○○店の店頭にいます。では、さっそく中に入ってみましょう。
こ、これは…。やはりといますか、いきなりマンガとラノベですね。夜遅くにもかかわらず、男女問わずに若者が立ち読みしています。
そんな方々を横目に、わたしはズイズイっと店の奥へと歩を進めると…。
いま、書籍の並ぶ棚の前に到着しました。歌集を探してみます。歌集、歌集っと…。お!詩歌コーナーありました。でも、少ないですねえ、30冊くらいです。
歌集を探してみます…、おおかたが詩集ですが中に何冊か歌集があります!やはり歌集、ありますねえ。実際に手に取って見てみます。どれどれ…、ふむ、綺麗な本ですね、新品同様です。えーっと、次の本はっと…。これも綺麗な新品です。この本を売ったひとは、ちゃんと中身よんだんでしょうかね?
因みに、販売価格は定価の半値、だいたいどの歌集もさっくりいって1500円前後でした。う〜ん、けっこう値が張りますねえ。この値段だと、内容がよくないと買う気がおこりませんな。
ついでだから、105円コーナーもみて帰るか。
ん〜っと、歌集、歌集と。…あった!105円の歌集。こちらにも、意外とありました。しゃ〜ないなら、ここで適当に選んで買って帰りましょう(笑)どうせ105円ですから、何でもいいや。見た目のいいやつにしよ、っと。
と、いう訳で、わたしは105円で1冊の名前をみたこともない著者の歌集を入手しました。ありがとうブックオフ!
◇
さて、今回わたしが手に入れた歌集は、2007年6月に砂子屋書房から出版された浅野美紀著『嫩葉』という歌集です。嫩葉には「わかば」とルビがふってあります。因みに、版元の定価は2800円となっておりました。
この著者の作風を一言でいえば、ライトバースかな。口語・新仮名で身辺の出来事や恋愛など、比較的わかりやすい言葉で作られた短歌です。
目についた歌を少しあげましょう。(以下の短歌はすべて浅野美紀著『嫩葉』からの引用です)
水色の追悼ノート悲しみは言葉の海を幾度も泳ぐ
林檎焼く甘き香満つるキッチンに子は長くいる話すことなく
パセリ摘み朝のスープに浮かすれば子は黙し飲むテスト週間
因みに、1首目の「追悼」とは近藤芳美にたいするものです。
でこぼこの心潤す雨だれの不規則な音を聴き分けている
青葉繁る樹々のめぐりを吹く風の鮮やかすぎて心閉ざしぬ
この2首目は、マジで巧いです。これが、一番好きかな。あと、こんな作品もあります。この人は、止め方がうまいですね。
ついさっき魚をさばいた指先で君のメールに返信をせり
うん、こういう作品もいいですね。
他にも、惹かれる短歌がいっぱいありましたが、きりがありませんからね。今回は、これくらいに。
そんなわけで、今回は全然知らない人の歌集をブックオフの105円コーナーで、あてずっぽで買ってみたくしだがお送りしました。
早速行ってみます、ブックオフの奥地へ(笑)