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  • 2011.12.11 Sunday
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八月の祝祭(五)

 漸く、陽も西に傾きはじめたころ、私たち二人は星ヶ浦の海岸べりに座りこみ、その海を眺めて過ごした。人工海岸が整然として弧を描き眼前に横たわっている。玉砂利を敷き詰めた、清潔なその海岸のやや不自然な汀を私はみていた。海はそこで人の手によって千切りとられ、西からさしはじめた陽光に朱く染まりつつあった。
 結局のところ、私たち二人は目的を果たせずここにいた。アマカス・マサヒコは、一昨日から自宅を留守にしており、会うことはかなわなかった。


―意気揚々としてこの地を訪れたムライは、まず改札の駅員にアマカスの所在について窺いをたてたが、本日はまだみかけていないとみえて、釣りでもしてるのではないかとその駅員は応えた。ムライは、その応えに満足な様子で、駅員に十分な笑顔を向けて礼をいった。
 大連から三○分ほど列車で下ったここ星ヶ浦は、六七○エイカーの土地に造られた新興の長期滞在型の保養行楽地だ。ホテルを中心に人工の海浜、ゴルフ場、テニスコート、ボート・ハウスなど様々な施設が備わっている。私とムライは駅舎を出ると、取りあえずそのあしで海へ向かった。

「彼の自宅はリゾートのすぐ外れにある文化村と呼ばれる一画にあるんですよ。羨ましいことですな、まあ、まがりなりにも相手は社長さんですから、わたしなんかとは俸給が違いますか」

 ムライが皮肉な口調でいったので、ここに住みたいのか、と私はムライにかえした。

「いえ。ちょっと言ってみただけですがね。私はこんな仕事ですから、どこに住まおうが同じことです。満鉄の社員であれば、ここに住むだけの俸給は皆がいただいてますよ。何なら、あなた、ここに住みますか。どうです。パスがありますから、交通費かかりませんし。四季をとおして穏やかなよいところですよ、夏は特にいい」
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kotonoha-mix(6) 桃色恋愛事情 feat.藤原桃

kotonoha-mix4組目のお客様は、精力的に短歌の創作・歌集の制作・イベントへの参加をしている、日野の同世代歌人、藤原桃ちゃんです!
リアルな恋のみならず、BL短歌・百合短歌と、幅広く手を伸ばす桃ちゃんの、エロくも切ない桃色ワールドに迫ってみました♪ ヒア・ウィー・ゴー!!


■楽に息ができるんだけど!

日野:桃ちゃんは、結社とかサークルに入らずに一人で活動してるんだよね。
藤原:そうですね。6年前に、なんとなく5・7・5で言葉遊びをしてて、短歌を昔やってた友達に「ねえねえ出来たんだけど」って言ったら、「あとに7・7って付けると短歌になるよ」って言われて7・7まで付けて。短歌をはじめて詠んだのがその時。
日野:遊びで作り始めたんだね。自然に出てきたっていうか。
藤原:って、思ってたんですよ、自分でも。でもあたし、俵万智とか桝野浩一とか林あまりとか、意外と読んでたの。でも、桝野浩一の『かんたん短歌のつくりかた』に投稿の短歌がいっぱい載ってて、こんな若い子達がこんなすごい歌を作ってるんだったら、あたし今さらやっても無理だな、みたいにあきらめてたのね。こんなの作れないし、って。
日野:難しく思っちゃったんだ。
藤原:そう。そこから3年後ぐらいだよね、詠みはじめたの。
日野:やっぱり、縁はあったんだね。伏線的な。
藤原:そうそう、伏線があって。あたしはとにかく何か書きたいんだけど書けなくて、苦しくてもがいてる感じ……が、25〜6までずーっと続いていたから、短歌に出会った瞬間に「ちょっ、楽に息ができるんだけど!」みたいな感じになって。で、ブログをはじめて、それが「藤原桃の桃色短歌」っていう、今もやっているサイト。だからはじめた時に、周りに短歌やってる人がいるわけでも師匠がいるわけでもなかったの。ブログ始めてから偶然「文学フリマ」っていうイベントがあることを知って、ちょっと自分で本作ってみようかな、自分の名前で本出したいなーと思って、はじめて作ったのが『桃色短歌vol.1』。知り合いのデザイナーさんに表紙だけお願いして、中身とか全部自分で作って印刷所に出して、一人で文学フリマに参加したの。
日野:勇気あるよね。
藤原:ブルッブルだったよ。超ふるえた。なにするわけでもないのに緊張して手ふるえちゃって。何回か出て、今は慣れたけど、はじめて出た時は、誰に認めてもらったわけでもない人間が、こんなところで値段をつけて本を売るってことに、ものすごい緊張感。でも15冊くらい売れて、びっくりして。売れて5冊だろうと思ってた。


【文語短歌】自由自在・その6【古典和歌】

こんにちは、さねともです。

9/11(土)のこと…休日出勤だったわたくしメは23時30分になってようやく仕事のメドが立った! と安堵しておりました。

が。

………

………………

………………………

おい! 今度の連載、俺じゃねぇか! 仕事してる場合かっ!
と、今回は言い訳から入るのでございます。

読者の皆様、たいへん申し訳ありません。今回、さねともの連載は急場しのぎになってしまいます。





短歌をはじめたころのわたしへ(6)

こんにちは。
この連載は、「短歌をはじめたころのわたし」へ、手紙を書くように、
短歌についてご紹介しています。
さてさて、今週もその予定だったのですが…


とぅるるるる、とぅるるるる、がちゃ。
「もしもし、わたしちゃん?」
「えーちゃんじゃない、どうしたの?電話だなんてめずらしい。今週は短歌の評論とかを紹介するんじゃなかったの?」
「今週は手紙はおやすみにする。あのね、今日、イベントあるんだ!イベント行こうよ!」
「イベントって短歌の?」
「もちろん!」
「えー、でも、わたしなんて初心者だし、歌友達もいないしなぁ」
「大丈夫るんるん若い短歌好きさんがたくさん集まるおまつりだよ。友達なんてすぐできるって」
「若い短歌好きさん?まわりにそういう人いなかったから、ちょっと気になるかも!今日どこで?何時から?」
「名古屋!テレビ塔のところで、13時からだよ!」

と、いうわけで、
突然ですがA.Iは、名古屋の短歌イベントに遊びにきていま〜す。

→ホームページはこちら〈(ごめんなさい、あとでしらべるあせあせ(飛び散る汗))〉
 
A.Iと同世代の、パワフルな「うたのおねえさん」天野慶ちゃんがプロデュースする短歌フェス。それでは現地でお会いしましょう☆
 

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