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  • 2011.12.11 Sunday
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曖昧な記憶、または治癒をおえた病巣

 ―塾に遅れそうなので少し時間がかかります、という意味のメールには返信をしなかったか―

きみが子を送り届けてくるまでの時間を書肆の光は濡らす




 ―わたしは30分ほど待ったかもしれない―

予報では降らない雨に鼻梁より濡れてあなたの車輌へ向かう




 ―これが二度目。お互いにまだ照れ臭さが拭えずにいて―

鳥であれば風切り羽根のある辺りに触れた、或いは触れてしまった




 ―釧路東急イン―

感情のかたちを示す唇の例えば冬の



 ―釧路東急イン―

          あなたの膝を刺す月明かり




         恋人が絡めた指にまくネオン管




 ―前回はリクエストした―

ひとの掌でされる痛さ、と思いつつひとの掌の違和感に溺れる




花束が破裂しそうな夕暮れにもうひとは愛なんて要らない




もう一度来るには遠い湖の底方に向けてまりもを放つ



 ―前回はリクエストした―

異教徒の祈り思わすしつこさの唇そのまた奥に舌あり




 ―わたしはずっと目を閉じたまま―

冷たくてよく動く舌そういえば父は野球が苦手だったな
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Kotonoha-mix(8) シノノメ・マキアート(おかわり) feat. 細谷貴宏

 
前回に引き続き、細谷貴宏くんとの対談です!
今週は、「shinonome」を掘り下げながら、ものづくりについて語ります。
ヒア・ウィー・ゴー!


■気持ちよさのため。

日野:作品つくってみて、どうでしたか。
細谷:今まで溜めに溜めてきたものを、とりあえず、どわーっと出した感じはありましたね。やりたいことやった、みたいな。
日野:話が立ち上がってからは、どれくらいの期間だったの? 
細谷:えーと、「本書いて演出しない?」って言ってもらったのが8月なかば。
日野:じゃあ、実質2ヶ月ないぐらい? スケジュールがなかなかタイト。
細谷:でしたね。でもたぶんプロの人たちって、1ヶ月で稽古して上げるみたいな感じだから。
日野:バッタバタだったでしょう、終わるまで。
細谷:バッタバタでしたねー、もう。ふとんで寝てなかったですからね、2ヶ月ぐらい。
日野:タフだわー。
細谷:ほんとにね。バイトもあったし。人間のやることじゃないですよ、お芝居なんてものは。
日野:でも人間じゃなきゃできないからね(笑)。人間て、なんでやらなくてもいいことがやりたくなるんだろう。
細谷:ね。謎ですよね。なんでこんなめんどくさいことやってるんだろう、って。
日野:ねー、しちめんどくさい。わたしもたまに「なにやってるんだろう?」って思う。
細谷:そこは最近、単純に「自分の気持ちよさのため」って割りきってますけどね。自分が気持ちいいでしょ?
日野:たまに気持ちいいな。
細谷:あ、たまにか。そっか。
日野:なんかね……「産みの苦しみ」があって、「うわー、気持ちいいー!」みたいな。ためてためて。
細谷:あの、おしっこ我慢して我慢して出したら「気持ちいいー!」みたいな?
日野:うん。
細谷:結局、「お客さんの気持ちよさ」と、短歌なんかでいうと「読む人の気持ちよさ」と、「自分の気持ちよさ」を、どうイコールに結びつける方向に持っていくか、みたいな。でも表現することって、わりと本能に近いようなところがあると思うんですよね。演じるなんていうのは、絶対そうで。
日野:なんもしてなくても人間、演じてたりするし。
細谷:うん。だから、それを美しいものに、見せられるレベルに、どう昇華させていくかみたいな。お芝居なんて誰でもできるんだから。英語では「play」ですからね。
日野:ああ、「遊ぶ」と一緒。日々みんなしていることを、エンターテイメントとして昇華して、人に見せるんだもんね。
細谷:そうそう、そういうことです。
日野:日々仕事していれば、ショップ店員である自分を演じたりとか、会社の○○課の事務員である自分を演じてみたりとか……
細谷:そうや、それで思い出した。ヘドウィグの「Wig in a box」って曲わかるかな。
日野:ああ、カツラとっかえひっかえするやつ。
細谷:あの歌詞、なんかすごい好きで、「メイクをして、わたしは深夜のレジ打ちの女王よ」みたいな。「でもベッドに戻って、カツラをはずせばわたしに戻る」みたいな。そういうことなんですよね。


タカノ ゆらゆらゆらゆら、あたしは揺れて、ふらふらふらふら、あたしは不埒に揺れながら、待っている。揺れながら、あたしは何かを思い出す。ゆらゆらゆらゆら、ふらふらふらふら、揺れながら、何かを思い出すのを待っている。

(「shinonome」より)


Kotonoha-mix(7) シノノメ・マキアート(1杯目) feat. 細谷貴宏

 今回のkotonoha-mixは、先月予告させていただいたとおり、演劇人の、ほっさんこと細谷貴宏くんとのトークを、処女作品「shinonome」の台本も一部ご紹介しながら、2週にわたってお送りしてまいります♪
若干23歳ながら、高校生の頃からただならぬセンスの短歌や俳句をつくっていたほっさん、注目株ですよー!


■どんぐりとか食べてたと思うな。

日野:ほっさんとは、なにげに長い付き合いになるよね。初代のホームページの初期(2004年)からがっつり絡んでもらって、6年にもなるんだよね。
細谷:だよね、全部見られてますもんね。お互いにかもしれないけど。
日野:いちばん多感な頃(笑)。
細谷:ほんとにね! びっくりするもん。あの頃の日記は消しちゃったけど、今読めないと思うな、あれは。全身粘膜みたいな。
日野:(笑)高校生の頃って誰しもそういうもの抱えてるかもしれないけど、それを言葉にできる子ってよけいに悩みやすいのかなーって思いながら。でもほっさんの文はすごい読めた。なんかすごい覚えてるのが、一人でよくわかんないけどフラーっと東京タワーに行って、行列に並びながらほっさんのブログ見てたんだよね(笑)。
細谷:覚えてます! コメントくれてましたよね、掲示板に。
日野:うん、したした。はずかしいな、お互い(笑)。
細谷:ね。ね。なんかね。だけどほんとにぼくは、幸運だったと思いますよ。ホームページなんかつくって、いい人が寄ってきてくだすって、見守ってくれてたみたいなところがあるから(笑)。
日野:みんなの弟、みたいな。
細谷:人に恵まれてたと思うな、たぶん。いろんな出会いがなければ、ぼくは山奥でどんぐりとか食べてたと思うな(笑)。
日野:どんぐり食べてたんかい(笑)。
細谷:どんぐりかわからんけど。うん、だめになってたような気がするな。

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